腰痛明けの山行

初めてビバークした山へまた来ました。

四十にして惑わず、という言葉を改めて紐解けば、「惑う」は、ただ、おろおろするという意味だけでなく、

「平常心・(初志)をかき乱すような事に心を奪われる」

とあります。倫理(行動の規範としての道徳観や善悪の基準)や良識(健全な判断力)では動かない世間において、平常心はいかに揺らぎやすいことか。

先日友人からあるショックな出来事を聞かされたのですが、歳を重ねるごと色濃くなっていく個々の人生、仕方がないと思いつつも、つい考え込んでしまいます。それぞれに異なる根っこ。それぞれの生き方。山仕事で身体を疲れさせても夜中に目が覚めてしまい、いよいよリズムを取り戻さないと身が持ちません。山登りをして一度リセットしたいと思いました。思考を健全に保つには花鳥風月が必要です。

山行前夜、21時前に就寝で目が覚めたのは0時半。弁当を作り、2時に再度布団に入って6時起床。結局登山口に着いたのは10時過ぎ。無理をせず途中で引き返す前提で登り始めました。

ゴーヤと生姜は塩揉みして搾ってから少量の梅酢と醤油で風味付け。インゲンはソーセージと一緒に茹でて粒マスタードで和えておけば即席のピクルスに。定番の卵焼きは今回砂糖を使わず、卵6個に対して味醂と醤油を合わせたものを100cc。しっとり甘くて山弁当に最高に合いました。

山の静寂には毎度、新鮮な感動を覚えます。ここに来なければ得られなかった静寂。遠くに三嶺が天狗塚が見えます。

刻一刻と変化してゆく陽光。辺りにキツツキの音が響きます。遠くで鹿の鳴き声がします。暮れ行く緊張感が嫌いではない私。長居したいのを堪えて4時に下山。