藪の伐採〜つづき〜

だいぶん片付いて空が見えてきた。いよいよ直径70センチ近くになろうかという大物のラインを決めたい。その前段階として、隣の木、写真上の真ん中を倒す。シュロの葉で隠れているが、ポイントとなる切り株を高めに残した。その株よりもできれば山側に倒したい。しかし、掛かっている枝を少しでも避けるには谷側へずれても仕方がない。

右が大物で左が今回倒す木。

楔は枝にかかるところまで順調に効いていることを確認。そこから牽引具(ウィンチ)を使う。かなり引っ張っても掛かった枝にしっかり受け止められ葉さえピクリとも動かない。少しでも抵抗を少なくするために追い口を再調整し、牽引具のセットをやり直してなんとか倒れた。

数千円の簡易なウィンチを使ったこのやり方では限界かもしれない。一回のセッティングで引ける長さはせいぜい1メートル。なので場合によっては何度かやり直さなければならない。その間、楔を効かせているとはいえ一度緊張させたものを緩めてまた張るという作業は不確定要素を自ら作る無茶な行為だし、牽引具の取り付けについても、やり直す際の引きしろをとるために倒れる側に寄って作業することになる。今回12ミリのポリエステルロープはカンカンに張り、滑車を固定していた結びがいつになく固く締まっていた。一般的にこのような使い方をするのか知らないが、本来の使い方ではないだろう。

今後はこのやり直しの必要がないチルホールという牽引具をあらたに構える必要がある。となれば、それに付随する道具一式もまた近所のホームセンターでは揃わない。かつては隣の本山町に専門の機械屋があったが今はもうない。繰り返し本を読み込んでネットで注文する。実は当初の10年ほど前から気になってチルホールをネット検索し続けてきたが欠品続きだったたり情報が今ひとつ不十分だったり、門外漢には敷居が高くてどこで買えばいいのか何を揃えるべきなのか定まらなかった。昨今は自伐(型)林業が普及して新たな需要が出てきたのか、改めて検索すると多くのサイトで在庫ありになっていたし、判断材料とすべき情報も充実してきた。誰に相談できるわけでもないので助かった。

伐っている最中にエンジンが止まってしまうような、中古のチェーンソーではじめて気がつけば10年経った。林業に携わっていた友人に一度やって見せてもってからは自分なりに試行錯誤してきたが、今ようやくにしてチルホールという標準装備のスタートラインに立てた。時間をかけて良かったと思うのは、パワーのある道具を使うことによって生まれる新たな危険を少しずつ経験できたことだ。簡易なウィンチとはいえ引っ張る力は1tあるそうだ。ロープが切れ、牽引具が飛んできて怪我をしたこともあったし、倒れるときの軌道が変化してかえって危ないこともあった。道具はその必要性を実感してから一つ、また一つ買い足していった。たしか、滑車を組み合わさずに使ったこともあったような、、、。

この日は5株倒したうち、かかり木は3株。何度もやり直さなければならなかったので体力的にも精神的にもキツかった。等高線上に詰んで植えられているものを水平方向に倒したいので当然だ。

大工のお兄の仕事を垣間見るにつけ、その時その時、無い答えを自分で探す仕事の積み重ねこそが作業員ではなく職人として実になる一つ一つの積み重ねだと思った。だから山仕事について、これまで自分の仕事として存分に試行錯誤する場に恵まれたことがやはりありがたいと思うのだ。

何かを身につけるにはそれ相応の時間がかかるし、どういう場で学ぶか、その時期も大事だ。農業の場合、自分は人の下で6年間修行させてもらったが身につけられたものは限られていた。農業という日常を自分の身体に染み込ませつつ、自分はどうやりたいか、またどうありたいかを模索するために現場の作業員としてその場に居させてもらう年月だった。おかげで、独立した1日目からやるべきことがわからず呆然と立ち尽くすということはなかったけれど、只ようやくスタートラインに立てたという思いだった。

「修行」とあえて書くのは、自分の至らなさ未熟さを執拗に指摘され、人間性を叩き直そうとされる、いわゆる社会の洗礼を受けた時期だからだ。「あの人は自分も斯くありたいということを君に言っているのだよ」と、当時気に掛けてくれた人の言葉が今も沁みる。歳を重ねていくうち、大なり小なりそういった経験をしている人は身近にも少なからずいることを知った。今でもその時に言われたことを思い出し自問自答するけれど、それもまた自己形成につながっていくのだろう。だから20代の早い時期に経験して良かったと思っている。先人も、若い頃の苦労は買ってでもしろと言うではないか。

さて、話は戻るが、倒れる際の挙動を思い返してみる。着地した後たわんで樹幹が跳ね上がり、切り株に乗り上げて谷側へ落ちたように思うが、定かでない。やはり、牽引方法に不安があったので、退避中、倒れるところを冷静に確認できなかったのだ。

受け口の下切りが水平よりも谷側に下がってしまったことが作用して予定ライン(写真下、受け口の正面を二等辺三角形を使って確認する)より、谷側へずれたかもしれない。しかし、伐倒前の方向確認で見上げれば樹幹は山側に曲がっていたので、やはり、着地した時点では切り株より山側であったはずだ。では、ポイントとしたその木を事前に伐るべきではなかったか。いや、かかり木要素をあれ以上残したくはなかったから伐ったのだ。

しっかり安定しているし搬出する時にも能率が良さそうなの結果的には良かった。我が家の搬出とは重機を使わないと言う意味で全て手作業。薪にするために40〜50センチに玉切りし、場合によっては現場で割って運び出すことをいう。いずれ背負子が欲しい

次なる木を改めて見上げる。

さらにしっかり枝が掛かりそうだ。倒したいのは今のところ、写真下の切り株と切り株の間を通るライン、つまり最後に倒した木の一つ隣のラインだ。倒れる際にどのように動くかイメージする。そして、道具を新たに揃えなければならないが、自分にとっての必要十分をどう組み合わせるか。その晩はほとんど寝られなかった。しばらく間を開けよう。

支柱は70本と少しまでできた。

キュウリの支柱づくり〜藪の伐採〜

キュウリの他にゴーヤ、えんどうにも使う支柱を竹で100本作る。孟宗竹一本で支柱は一本しか取れないから100本以上伐ることになる。元の部分は割ってトンネルの支柱にする。作業の中心はいかに始末をつけるか。事故を防ぐためにできるだけ長い状態で安定するラインに積み上げ足場を整える。なので、一日にせいぜい10本〜20本といったペースだ。手鋸でごとごとやる。

植林に侵食した竹を伐り出すのであとには杉や檜が残る。既に虫に食われていたり朽ちたりしているものがほとんどで、危なくてそのままにはできないから最後に倒すことを考えて作業する。

藪の中で枝がほとんど無くなりまばらに残った杉。台風に耐えられるとはとても思えない。細く見えて、これでも直径は40センチ前後、高さは20メートルにもなるのでかなりの量感になる。枝がなくてツルッとしている分、下手に倒すと滑り落ちて事故を起こしてしまうかもしれない。細い方がかえって難しいこともあるのだ。右から二番目の木については倒す方向、立木の状況から牽引具もロープも使わない方がいいと判断した。吹きっさらしにポツンと立つそれを見上げれば、形容しがたい量感で迫ってくる。久しぶりにふるふる足が震えた。おいおい。

立ったまま枯れていたこれらは全て桧だった。枯れているからといって侮るべからず。決して軽くはない。谷側に傾いていたので最終はロープで引っ張り横に倒す。

この日は、倒す道を作るためにもこの曲がり偏った木から始まった。追いヅル切りをするには細いようだ。慣れないそれを微妙なところでするよりも、いつものやり方を慎重にする。

真下に立って倒す方向を見る。かかり木になることは避けられない。真ん中を狙う。少し左にずれて隣の斜めに傾いた一株目と2株目の間に入ってしまうと樹幹に挟まってどうしようもなくなる。

ここからロープを使って倒す。混み合った中に道ができる。

直径60センチ以上の立派なものが2本あった。しかしその並びには樹皮が黒ずんで明らかに危ないものがある。

 

この木を伐るためには立派な2本を伐るしかないように思うが果たしてどうしたものか。それは伐るのも大変だけど、危険のないよう始末するのが大変だ。

この密植された中のどこに倒すか。まだ道は見えない。

少し引いたところから見ると現場はこんな感じだ。奥のカーブミラーが立っているところが三叉路になっていて暗く鬱蒼としている。車を運転すると明るさの変化に目がついていかないので視界が思いのほか悪い。ちなみに、生姜の畑に降りていく道はちょうどこの藪の下になる。だから暗くて路肩が見えづらいのだ。左の山側の手前4株は昨年の春、集落の道作りの時に伐った。

2株は直径40センチでガードレールのある谷側に大きく偏重しており、真ん中の株は直径60センチ以上の大径木で形が歪、それらが一株のように密接して生えていた。枝が絡みあい、足場も悪い。道を止めてもらうためとはいえ、難儀する中、人が集まって大変だった。話は遡るが、事前に手前の藪を片づけて算段をつけ、道作りの担当の方に相談したところ、それなら集落内のプロに頼んだ方がいいとこちらの意に反して進みそうになった。それを頑なに遮って、自分で持ち込んだ話なので自分でやらせてほしいと押し切った手前、失敗は許されなかった。難しい木だからと他人に頼んでしまえば、今後自分で伐れなくなる。それはつまり、いつまで経っても伐ってもらえず何も進まないということだ。伐るべき支障木はまだまだある。

この春も山側残りの3株を伐らせてもらう予定にしている。厄介なことに光ケーブルがそばを通っているし斜面上からどう搬出するかがまた大変だ。

四十代のうちにこういったことはある程度方をつけておきたい。竹は整えた竹林で採れるようにしたいし、薪は浅木でこしらえたい。でないと体力がもたないし危なくて不可能になるからだ。こないだの火事の時は麦山の防火水槽では足りなくなったので、川から下の集落の水槽を経由して水を上げた。その際、これまで自分が手入れを続けてきた畑へ降りる私道を使っていて、その道が荒れたままだったら果たしてどうなっていたか。延焼し山火事になっていたら放水は届かずどうしようもなかっただろう。裏山は集落の水源だ。以前消防団に属していたとき山火事の現場に行ったことがあったが尾根まで全て燃えていた。やはり自助努力だと思った。

先日嬉しいことがあった。同じ麦山の方から竹藪の手入れを頼まれたのだ。周囲には少なからずよく思わない人もいるだろうと思いながらやってきた山の手入れだったので、ちょっとほっこりした。

ベンチ作り

伐り倒したままにしていた杉でベンチを作ることにした。急斜面にあるので、自力で運び出すためにはいずれにしても割るなりして転がらないようにしておかなければならない。

厚さ15センチ、横幅60センチ、縦300センチの厚板ができたが笑ってしまうくらい重くて全く動かない。180センチにして、軽トラの荷台へ乗せることに。しかし、後少しのところがどうしても動かないので断念。牽引してなんとか家の敷地まで運んだ。いい加減、力任せは卒業しないと。

明けましておめでとうございます

今年は穏やかな年となりますように。

二日はお弁当を持ってお山参りに行ってきました。工石山は5時間ほど歩ける程よい登山道が整えられていて、市民の憩いの場です。

とても静かでした。

二匹は方々で正月のご馳走にありつけたのかとても余裕です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

気になっていたところを片付ける

腐食して取れたままになっていた風呂の焚き口と煙道の掃除口を修繕した。慣れない左官仕事。ひとつひとつ型枠を拵えて隙間を埋めてどうにかこうにか形になった。これで火の始末が丁寧に行えるし、薪の消費も最小限で済む。

火事のことが脳裏に焼き付いている。心身ともにまだ正常とは言えない。火事のあった夜中の1時頃になると決まって目が覚めたり、何かの物音に反応して寝られなくなったり、夢にみることもある。これでは身が持たないとわかっているけれど、寝ていても何かあればすぐ気が付くようにとも思うので割り切っている。人のふり見て我がふり直せではないが、お風呂にストーブ、私も日々暮らしの中で火を焚くので改めて気を付けなければと思う。

野良の2匹、ここ最近はチー坊が寝床を自分のだと主張して喧嘩になることもしばしばです。元来穏やかなQ太郎は困惑顔。そもそも我が家という餌場を教えてあげたのはQ太郎なのだけど、チー坊は自分もうさぎを獲れるようになったことで勢いづいてるのか。。とはいえ、確かにあかんタレなチー坊もそれなりにゴツくなってきました。嫁にひしと抱きつく肩周りがもうおっさんです。おいおい。しかし、寒波の間はご覧の通り。なんともかんとも。

JOKI COFFEEさんへ

仕込みたてのローズスイートを納品してきました。

JOKI COFFEE さんへは一息させてもらいによくお邪魔してます。こんなお店が近所にあることが幸せ。寒い日には生クリームたっぷりのウインナーコーヒーがおすすめです。毎回どんなカップで出てくるか楽しみのひとつです。

家の改修

抜本的な工事が求められる我が家。土台や柱、壁や屋根もいずれ順を追って可能な限り総入れ替えしなければならない。今回は東の壁と足元。

覆われていたトタンを剥がすと思っていた以上に深刻な状態だ。屋内の壁にしみが出てきたり、草のツルが入ってきたりしたのも納得である。はじめにこの実態を知っていたらここで暮らそうと思えただろうか。ここで10年以上寝起きしていたことが、お伽話に思えてしまう。

開ければ開けるほど途方に暮れる。結局壁の大部分を剥がすことに。竹木舞に土壁は貴重ではあるけれど、それを復元する猶予はない。とにかくシロアリの進行と家の歪みを食い止めることが先なのだ。

荷重が集中している柱は根本が曲がっていて、骨組みが全方向に歪み波打っているのが素人目にもわかる。時折聞こえる軋みはまたひとつ変形が進んでいたということなのだろう。隙間だらけの障子一枚向こうは外、底冷えのする家に体力をすり減らされてきた感じがする。これまではなんでも勢いで来れたけれど、これからは無駄に消耗しないようにしたい。

我が家をはじめから見続けてくれている大工のお兄。仕事ぶりについつい見入ってしまう。なんでも一人でやってしまうのだ。

お兄の仕事に、ただただ脱帽。自分も自分の仕事を頑張らねばと思う。

本日出荷の生鮮

このところ生姜や里芋など業務用生鮮野菜の出荷、そして家の改修工事が立て込んでおりアップできていませんでしたが、いく農園、変わらず元気でおります。

人参、大根、白ネギ、冬の味覚が穫れ始めました。大根は大蔵大根(ずんぐりした方)と千都(すらっとした方)です。