接骨院に整体へ

農家に腰痛はつきものと言います。中腰の姿勢や重量物の上げ下げで疲労が溜まれば当然痛くなりますが、私の場合、病名がつくほど悪化したことはありませんでした。それが密かな自慢でもあったのですが、今回の腰痛はいつもと違いました。臀部から太ももの裏、脹脛そして足の裏に至るまで痺れるようになり、一週間経っても治らず、攣るような痛みで工房の立ち仕事でさえ儘ならない有様、いよいよ只事ではないということで、はじめて接骨院へ行くことにしました。

坐骨神経痛ということで、週一回以上の集中的な施術を2ヶ月間、そして、病院での精密検査を勧められました。深刻な状態と認識した方がいいようで、思い返せば、毎年のように脇腹が攣ったり、車を長時間運転するとお尻がたまらなく痛くなったり、いろんな不具合はその予兆でした。なお、股関節や肩甲骨周りは柔軟性に乏しく、体幹もガチガチに固まっている模様。動かせるところまで上体を捻ってくださいと言われてやってはみるものの、僅かばかりで攣りそうになります。肩周りのチェックでは少しも動かず、これには先生も思わず苦笑い。これまで自分なりにメンテナンスしてきたつもりでしたが、甘かったことを思い知らされました。

今は種蒔きや植え付けの真っ只中、そして、生姜にも里芋にも刈草を被せてあげないといけないタイミングです。とはいえ、草履を突っ掛けるにも足に力が入らず、たびたび捻挫してしまいそうになるほどで、正座で足が痺れたというほどではないにしろ、麻痺して思うように動きません。臀部から脹脛にかけて断続的に絞られるような痛みが走ります。そうこうしているうちにどんどん草に呑まれていく畑。この冬作は一体どうなるのか。とにかく、無理をしてさらに痛めるということにならないよう、接骨院でもらったストレッチメニューを毎日続けます。そして、幸いにも自転車でローラーを回す動きは大した痛みもなくできたので、リハビリとして続けることにしました。

二週間ほど経ったでしょうか、ようやく痛みが柔らぎはじめ、仕事ができるくらいまでになりました。まずは草刈り、そして種蒔きです。

多くの農家が通ってきた道。四十にして惑わずとは言いますが、やると決めてもなかなか形は定まらないもので、こうした出来事を経ていよいよ定まっていくものなのかもしれません。接骨院の先生のポジティブな言葉に触れるたび、少なからず身体が改善されていくのを実感するうち、たとえ消えないとしても感度良好なアラームとして前向きに付き合っていけるのではないかと思えるようになりました。生活習慣を見直し、仕事量を見直し、リハビリを日課とし、今後も農業と山の暮らしを続けていけるよう、私も克服していきたいと思います。

畑には発芽を待つ人参や春菊、白菜、そして、植えたばかりの、サニーレタス、キャベツ、カリフラワー。

久しぶりに我が家の野良たち。チー坊は獣と格闘したのか顔を怪我してしょぼん。夜も昼も引きこもりモードです。とはいえ、根が丈夫なので数日腫れて膿んで、自然治癒。可愛いQ太郎はどこへ行ってしまったのか、全く姿を見せなくなりました。兄いの庇護を失ったチー坊、雄々しく自分で縄張りを守らないと。