投稿者「ikufarm」のアーカイブ

山の暮らしと山仕事

燃料を自給できることの有り難さをしみじみ感じるこの頃。寒い夜も雨の日も不安なく過ごせます。裏山がある程度片付いたので、次は一昨年伐った大径木に取り掛かります。急斜面に水平な足場を作り、道具を新たに揃え、挙動を予想してそこに寝かせる。自分なりに段取ったわけですが、結果は奇跡的だったと思います。自画自賛などありえません。安堵と感謝、そして自己の確認です。

玉切りして割ってから搬出。直径80センチを越える株元は、両側から刃を入れても届かないため、矢で割ってバラしながら切り進めます。中腰で横方向に槌を振るこれがかなりきつい。日々のストレッチとトレーニングを続けて身体を強く保つことはもはや必須です。とにかく重量物は若いうちに片付けて、良質な薪のとれる山にしていきます。

刃が届くところまで来ればだいぶん楽。谷側に寝かせたもう一本のおかげで転げ落ちる心配はありません。

週末はもっぱら山仕事。視界が開け本当に居心地良くなってきました。これを片付けたらようやく次が伐れます。一箇所を一度に伐り剥ぐのではなく、裏山や畑の東や西など何年もかけて満遍なく手入れすることで、次なる木を育てながら進めます。

高村光太郎の詩『道程』の一節、

「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」

二十数年前に北海道の恩師から頂いた言葉ですが、積み重ねてきたことの成果を今こうして眼前に見渡せた時、自らを勇気づけ奮い立たせてくれるようで、なんとも有難い心持ちになりました。自信はその都度塗り重ねなければ脆く見失うほどに儚い。現場に立ち続け、此処ぞで踏ん張れる自分であるかどうか。これからも事故なく山の暮らしを続けていけたらと思います。

「お山の宿みちつじ」のプリン。きめが細かく滑らかで本当に美味しかったです。カラメルも美味しかったー!

本日出荷の生鮮

暖かい雨が続いたおかげで椎茸がとれました。数日後には寒気がくる予報。当地の最低気温マイナス5度だそうです。里芋、金時人参、椎茸、春菊の炊き合わせはいかがですか。仕上げに柚子皮を散らして燗酒と。

冬の楽しみ

クリスマスが近づき、今年もヨキコーヒーさんにシュトーレンをお願いしました。ずっしりと質実剛健なお菓子。香ばしいバターとお酒の香り、そしてフルーツとナッツの濃厚な味わい。厚めにカットして頬張るのが幸せです。

日曜日は大抵、薪割り。斧はこの家に残されていた物で、形からして伐採用だと思いますが、特に使いにくいこともないので、愛用させて頂いてます。

矢と槌は自前。斧で割れないとき補助的に使います。当初は斧だけで格闘していたのですが、地元の方がそれらしいのを使っているのを見て、道具屋へ走り手に入れたものです。30代の無茶が祟ってしまったのか槌にヒビが入ってしまいましたが、柄の細さと全体のバランスがよく、気に入って使っています。

天気が続いたので鷹の爪が綺麗に干せました。

初雪の工石山

昨日、麓はみぞれ混じりの雨。山の上は雪でした。雨が止んで晴れ間が見えても風が冷たく、外での作業はかなり冷えました。雪化粧をした峰々を見るとそこへ行きたくなります。

翌日の天気は晴れ。気温もあがる登山日和ということで、近所の工石山へ。朝起きると、家はすっかり冷え切っています。薪ストーブに火を入れ、湯を沸かします。路面凍結が恐いのでお昼頃に向かいました。駐車場にはかつてないほどの車。山は老若男女で賑わっておりました。おばちゃん達はおしゃべりを楽しみ、小さい子がビッグサイズのカップヌードルを美味しそうにすすっています。休日は山で憩う。そんな趣味を持っている人たちが結構いるんですね。

木漏れ日の中、溶けた雪がキラキラ降ってきます。

 雪に縁取られた木々

山が好きだと連呼する嫁

静かな時間