今年も温海(あつみ)かぶの瓶詰めが始まりました。
一年の終わりに、一枚一枚折り重ねる作業はとても静かで、気に入っています。手間ひまは掛かりますが、空気を多く含み柔らかいという、かぶの特性から必然的に今の詰め方に落ち着きました。
色の鮮やかなうちに是非食べて頂きたいピクルス。クリスマスやお正月にいかがですか。
生姜の仕込を前に、近くの工石山へ一泊のキャンプをしてきました。
15時過ぎに家を出て買い出しの後16時ごろに登山口へ。いつものように日暮れを気にしながら下山するのではなく、今晩はこの山に泊まると思うと、気持ちも見える景色も違います。山頂へは小一時間で着きました。テントを張り、寝袋も敷いて準備万端、作ってきたお弁当にビールで一杯やりました。標高は1176m、遠くに高知の街明かりが見えます。が、かなり寒かったので早々に引き揚げました。
翌日、テントを出れば目の覚めるような朝焼けが迎えてくれました。
澄んだ空気の中で淹れるコーヒは格別でした。なんでこれまでやらなかったのか。
さて、今回の山登りでショックだったのが倒木の多さでした。10月下旬、1週間ほど雨が続き地盤が緩んでいたところに来ての台風が原因だと思われます。根こそぎ倒れている木が目につきました。
直根がないことに驚きます。ごく浅くへばり付くようにしか根が張っていない。倒れている檜や杉のほとんどがこんな具合でした。
虫食いや腐れの入った木は途中で折れていました。昨シーズンに伐った裏山の大径木の全てに腐れが入っていたことを思い返すと、本当に早く伐っておいて良かったと思いました。そして、山を下り、土佐山の方へ行くと、かなり広範囲にわたって植林が崩れていたのです。
こういう光景を見ると、家の裏を植林にすることが相当危険で間違ったことなのだと再確認されます。土砂が崩れてこなくても、高く重量のある木が倒れてくればひとたまりもありません。薪を必要とする暮らしの中で、浅木の山として手入れをつづけるからこそ守られた里山だったのでしょう。やはりこれからも裏山を伐らせてもらうようにしなければと、思いを強くしました。
秋の穏やかな陽気の中、とてもリラックスしたイベントとなりました。
はじめてのお客様だけでなく、私たちの知らないところでこれまで懇意にして下さっていたお客様にもお会いすることができました。また、10年ぶりの懐かしい顔や、久しぶりの出店者仲間、そして、今回の出店を事前に知って下さっていて、わざわざ顔を見に来てくださった方々の嬉しいサプライズもあり、しみじみ出店してよかったと思いました。
牧野植物園のある五台山からは高知の街並みが一望できます。
大学に入るのを機に高知で暮らすようになってもうじき20年になり、其処ここに懐かしい顔が浮かび、暗中模索でひとり彷徨っていた街角が目に入ってきます。本当に自分のことを気に掛け、その言葉の通りに心配してくれていた人とそうではなかった人が、今となってはわかります。そして、それは私自身にも言えることでした。有り難いことにパートナーに恵まれ、自分たちの仕事に共感してくださる人がいることを実感できるようになり、目に映る街の景色は新しく塗り替わったように感じています。これまで気にはなっていても、自分のことに精一杯でかける言葉も見つからなかった相手とも、はじめて楽しい会話ができました。思えばお互い様だったのかもしれません。これからが楽しみです。
少しでもこうした機会に出て来れたらと思っています。
RITMUSさんとのご縁で、いくピクが佐賀に飛びます。ありがとうございます。
(ご報告が遅くなって申し訳ありません。)
9月30日(土)と10月1日(日)の両日、高知県立牧野植物園で催される食のイベント、
「まきので“食べる”を考える」に出店します。お客様と直にお話しできるのを楽しみにしております。