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山仕事備忘録〜三叉路脇の支障木その1〜

伐る予定の支障木は全部で五本。それぞれに難しい木なので数年かけてやります。まずは侵食していた竹や灌木、バラなどを1日がかりで片付けました。

二日目、いよいよケーブル脇の一本から枝を打ちします。一本打ってみて仕切り直し。もう少し高いところへ滑車を掛け直します。蔦が邪魔をして滑るので剥がしながら登ることに。昨年に元を切って枯らしておいたので少しは剥がしやすかったかもしれません。

枝を跨ぐために命綱と胴綱を掛け替えます。一旦解除する作業にまだまだ不安が残りました。命綱をカラビナで木に括るのは今回が初めてで、ロックし忘れていないか何度も確認してしまいます。そういった余計な不安を減らしていかないと注意力が散漫になり危ない気がします。オートロック式に替えた方がいいかも。

三日目

 ケーブルに全く接触させないためには、もっと上に滑車を仕掛けて枝先を持ち上げつつ切るなり、ロープをもっと先に掛けて枝先が垂れないようにしなければいけませんが、今はこれが精一杯。多少触れるくらいは問題ないでしょう。

上に行けば行くほど作業はシビアになります。命綱はある一定のテンションが掛かっていないといざという時に効かないかもしれないのですが、十分にたるみを取れないことが儘あります。道具の特性を考えれば、はじめに出来るだけ上に登って信頼できるアンカーポイントを確保し、テンションをかけた状態で切り下げていく方が確実かもしれません。

独学なので少しずつ経験を積みながらです。怖さはあるけれど、身をもって知れるのが面白い。三日間ぶっ通しで頑張ったのでしばらく休みます。最終日は19時前に就寝。充実した毎日です。

近所にこんな自然が残っているということ。失いたくないですね。

 

山仕事備忘録〜東の藪’25〜偏心木〜

これほど傾いた木を起こすのは初めてのこと。竹藪から顔を出す格好でした。斜面直下はコンクリートそして柚子ばたけ。

「落葉樹は針葉樹のようにはいかない」とはよく聞きますが、こういったケースはまさにその意味するところを理解しているかが成否の分かれ目となりそうです。牽引によって捻れることを充分に想定しなければなりません。

前段階として、できるだけ枝を落とします。偏りを少しでも軽減するためです。上方に取り付けた滑車を介し牽引具で少しずつ地上に降ろすようにします。 セッティングの手順に課題が残る。

 枝を降ろして片付けて、また登ってを繰り返す。

そのまま降ろすと直下の木々に絡まってしまうので、部分的に枝を落としてバランスを変えたり引き上げ直したり。木を移動させる作業をしていると更にもう一方向からも引っ張ったり送り出したりできたらと思うケースが結構出てきました。何事も一筋縄ではいきません。

二日目。谷側へ張り出した枝を全て片付けたらセットを外し(滑車を取り付けていたスリングは木の股に噛み込んで取れなかったのでそのまま)、木を起こすためのセッティングに替えます。

ここでもその手順に課題が残りました。ワイヤーロープと牽引具の付属ワイヤーをクリップで繋ぎ、予め滑車に通してから登ったのですが、そもそもクリップはアンカーポイントで使うべきでした。そこに気付いていれば、ロープ類はいずれもフリーの状態で登ことができましたし、樹上でのセッティングはより安全に済んだでしょう。今回はそれで上手くいきましたが、取り付けるにもテンションが掛かって重く、ワイヤー類の取り回しにも余計な注意が必要でした。つまり、明確になったのは「牽引具やアンカーポイントのセットは樹上セッティングが終わってから」です。

 受け口は水平に深く角度を広く取る。向きを前方からも確認し、今一度、牽引具のテンションを強める。

重心は圧倒的に後方にあるので、十分にテンションをかけていないと、追い口を入れる途中で刃を噛み込み、いきなり倒れるかもしれません。もちろん、そんなことにならないよう不用意に切り込むことはしませんし、可能性を一つでもなくすため、木の股に滑車を取り付けて作用点がずれないようにはしてあります。とはいえ、幹には虫食いや腐れが入っており、その範囲によっては思いがけないことが起こるかもしれず、支点であるツルが機能しなかった場合、いくら引っ張っていても横方向に倒れてしまうことを防ぐことはできません。つまり、ツルを正確に作れるかどうかにかかっているということです。

以前読んだ本の中に「追い口を幹に対して直角に入れる」という記述があって、それが基本原則なのかどういうことなのかわからず気になっていたのですが、今回こそ、それが適用される場面だと思いました。今回は傾き曲がった木を牽引して起こします。ツルに加わる捻れの方向。受け口側を前方、追い口側を後方とすると、前方斜め下へ潰れる側と後方斜め上へ引きちぎられる側を想定すると、ツルに低い方と高い方ができるその追い口の入れ方はとても理にかなっています。終盤、元口が後方に滑り落ちないよう、特に引きちぎられる側には十分なつっかえが必要です。(ツルの高さはつっかえの深さとなる)

さて、追い口の入れ方は定まりました。いよいよ伐り始めます。次は必要十分なその幅を見極めること。浅いと裂け上がってしまうので、まず下に裂けるかどうかです。その前に、牽引力が効いているかの確認。切り口がちゃんと開き始めているか目視では分かりにくいので、楔を打ってみます。牽引を少し強めると浮きました。ならばということで、自分が想定している幅まで追い口を少しずつ入れていきます。パンと木が弾ける音がしました。下に裂けたのでもう十分であるということです。更に牽引を強めていきます。少しずつ起き上がってきました。葉も揺れています。

 木の反応を確かめながらなお慎重に進める。

前方斜め下に潰れる側

後方斜め上に引きちぎられる側

だいぶん起きてきました。牽引具にかかる力が徐々に軽くなってきます。気は抜けませんが、いよいよ大詰めです。起き上がった後はそのまま引っ張る方向に倒れるのではなく、傾きと樹幹の曲がりに従って、若干回転しながら道に沿って倒れるというイメージ。

このタイミングで後方にずれ落ちてしまわないように。

無事、思ったところに寝てくれました。この木が片付いたのは大きいです。いずれはと思い立ってから4、5年経ちました。歩くのに心地よい小道にしていきたいものです。

山仕事備忘録〜西の藪’25〜竹の伐採

暮れは大晦日まで、明けては三日から、ひとまず4日間かけて竹藪の手入れをしました。ツルが絡んで余計に大変でしたが寝正月にならず充実していました。しかし、もう腕が上がりません。箸を持つのも重い。ともあれ、良くなると思えるための労働はいいものです。

 

2024年もお世話になりました

 今年も軽トラで5時間かけて帰省してきました。明石大橋はとてつもなく大きいですね。束の間の大阪。かつて暮らしたニュータウンは様変わりを続け、住人はかわり、懐かしむことも最早ありませんが、とはいえ、太陽の塔が今もそこにあるとホッとします。

山の我が家に帰れば冬支度の続きです。そして、お世話になる方々へ野菜を送り、少しずつ年越しの準備。

細断して里芋に被せます。

年末は寒い日が続きましたが、24日はぽかぽかの陽気。久しぶりに桂浜へ行ってきました。

 

山仕事備忘録〜裏山’24〜

裏山は、7年から5年ほど前に伐った一帯が片付いたので次へ。久しぶりにまとめて伐りました。ある程度まとめて伐るのは残したい木を健全に育て、植生を更新するためです。なお、生えている樹木全てを伐り剥ぐのではなく、また、個人が一人ごとごとやるくらいの小規模である場合、皆伐には当たりません。あくまで自主防災が主な目的であり、保全のための除伐ということになるでしょう。

上には林道が通っており、今回はその下までを伐りました。安心して通行できるよう、株を高く残して路肩に敷き並べ、急斜面には土留めとしても重要な水平の足場を組み上げていきます。普通であれば重機を使うところ、手持ちの道具となれば、軽トラ、牽引具、ジャッキ、そして結局は人力で持ち上げたり引き上げたりもするのでかなりの重労働。残したい木や構造物などに誤って倒さないため、倒す順番や方向、かかり木を未然に防ぐための枝打ちなど、色々大変だったので終わってから寝込みました。山の仕事は気力体力共に使います。

なんという木か知りませんが、太い枝を方々に張り出してとても厄介でした。右隣の杉は枯れています。

材として伐るのではないので、安全重視でツルを必要十分に残します。今回は直径40センチ未満の細い木ばかりだったので助かりました。とはいえ十分に重く、竹のようには扱えません。

これで我が家の薪3年分はあるでしょうか。次を育てるために土留めとして残すもの以外は順次片付けていきます。

秋の山行〜佐々連尾山〜

雨続きの秋。週末には気温が一気に下がる予報なので、冬支度を急ぎました。裏山で薪を補充し、草を刈り、来年の種にする生姜を囲ってとりあえず小休止。

11月3日(日)〜4日(月)の一泊二日、昼前に家を出て小一時間で登山口に着く気楽な山行です。日帰りだと、早朝出発で日暮前の下山を急がなければならないので、一泊の方がかえって楽な気がします。地域では運動会があり、花火が上がっていました。

 この山には水場がないこともあってか日帰の人がほとんどで、「いいですね〜、テン泊ですか」と、しばしば声を掛けられました。

私のテント泊はここ数年夫婦で山登りをするようになるまでは過去にも数えるほど。登山に精通する人の多くが経験を積んだであろう年頃は、連休を取れるのが盆か暮れぐらいだったこともあり、憧れはあったものの、意気揚々、テントを積んで旅に出る!ということにはなりませんでした。なので、今この歳になって山に行けるとなれば、数日前から夜も眠れぬほどです。

前回の山行で、いつか霧氷を見たい、雪山とまではいかなくとも、できることなら三嶺の雪景色を見たいという新たな夢を描いてしまったいく農園。防寒と食事の充実、そして新たな装備を考えれば、遅かれ早かれザックの容量は足りなくなるので、55リットルのザック(65リットルまで拡張可)を新調し、それまで私が使っていた47リットルのザック(ユニセックスのもの)を嫁が担ぐことにしました。したがって、これまで二人で80リットルに満たなかったものが100リットルオーバーに。何年かかるかわかりませんし、まだ想像もできませんが、山登りをこれからも続け更なる夢を持つことは自分たちの暮らしにとても良い影響を与えるだろうと思います。

麓で始まったばかりの紅葉が山頂付近ではほとんど終わりかけでした。それでも、僅かな中に鮮やかなものがあり、楽しませてもらいました。今回も暮れゆく中を歩きます。

 一番星。私において初めてそれと認めたのは小学生の頃、学校のグランドで一人壁当てをしている時でした。以来、一番星を見ればあの時を思い出します。10歳ともなれば自我は芽生え、将来のことを取り留めも無く考えていました。あの時の自分への問いかけ。思えば遠くへ来たものです。

予定地に着く前にだいぶん暗くなってしまったので、もう一箇所目星をつけていたところに張りました。風当たりが強そうですが、今日は穏やかかなと期待して。星空を楽しむにはこちらの方が良さそうです。

贅沢なことですが、今この山域には多分私たちしかいません。遠くに豊浜や観音寺の灯りが見えます。

無事に張り終えたならまず横になりたい。(次回からはもう少し早く予定地に着くようにしないと)煮炊するなら一眠りしてからでもいいだろうということで、晩酌タイムにしました。前回の三嶺ではワインがとても美味しかったので、今回もワインです。嫁がインゲンを茹でたものと味噌を用意してくれました。それにチーズとポテチで乾杯です。山で淹れるコーヒーも格別ですが、お酒も格別ですね。野菜を食べられることがありがたい。味噌も美味しい。嫁が上機嫌で何よりです。

気がつけば風が強くなってきました。何度か外に出て状態を見ましたが、しっかりペグが効いており、テントはしなやかに風をいなしているようで安心感がありました。夜どうし吹き荒れましたがそれなりに眠れました。

朝日に染まるこの時間が好きです。風が強い中ではありましたが、コーヒーを淹れ、もみじ饅頭でひと心地。テントの撤収は風に飛ばされないことを第一に、ざっとまとめてパッキング。とにかく出発して風を避けられるところで朝ごはんにします。道々パンを齧りつつ歩みを進めればもうお昼近く。大森山を過ぎたところで腰を下ろし、ペンネを茹でてミートソースのパスタを食べました。

陽が傾き美しく映える木々の中、ゆっくり下山。この時間も穏やかで好きです。途中、コーヒーを淹れ、16時ごろに下山。沢で顔を洗い、帰路につきました。

秋の山行〜三嶺へ〜

10月10日〜12日、この秋初めての山行を楽しんで来ました。高知側の光石登山口は手前の林道が通行止めになっているらしく、徳島の名頃登山口から三嶺へ。山頂から西熊山への稜線歩きを楽しみ、初日はお亀岩付近にテント泊。二日目、余裕があれば天狗塚へ登り日暮までに三嶺へ戻ってヒュッテ付近でテント泊。三日目はのんびり名頃へ下山という予定です。

三嶺は徳島側から登る方がメジャーなようで、より気軽なハイキングや軽装なトレランを楽しむ人も多いようです。登山口へ向かうルートは主に2つ。国道32号線から大歩危で祖谷の郷へ入り国道439号で向かうルートと、美馬ICで高速を降り、貞光川に沿って国道438号で向かうルートです。

我が家からは祖谷を通る方が近く、2時間と少しで着きました。道も整っており、3時間かかった光石登山口よりもはるかに楽でした。ただ、主要街道から更に厳しい峠を越えた先の深い渓谷。祖谷トンネルが開通していなかったら果たしてこのルートを選んだかどうか。かつてはまさに秘境だったろうと思いました。一度自転車でちゃんと峠を越えてみたいものです。

先日まで続いた雨でキノコが沢山。

山に持っていく食料をどうするか。当初はカロリーメイトやソイジョイのような補給食を色々揃えもしましたが、今では嫁がパウンドケーキを焼き、私は弁当を作るスタイルが定着。日帰りでもテント泊でもそれをベースにして、あとは米を炊くかパスタを茹でるか。今回は新たに餅とフリーズドライのアルファ米を持って行きました。

餅は昔から携行する食料として重宝されてきたそうで、思ったより早く火が通り食べ応えもあって満足でした。(インスタント味噌汁で雑煮に)一方、多くの登山者が利用するフリーズドライは、お湯を注いで15分、水でも1時間で食べられるようになるということで、確かに手軽で非常時には助かりますが、何食もそれだと私は無理だなと思いました。市販の調味料を多用した食品はやはり味覚が疲れます。カロリーの補給としてだけではなく、食事をいかに充実させるか。野菜不足も気になります。準備や下拵えがあまり大変になるといけませんが、連泊となれば尚のこと大事です。やはり、自家製肉味噌を持っていくべきでした。

そして、少なくとも一日一食は米を炊いて食べたい。時と場所を選び、ハードルは高いですが、今回はクリーン精米にしたことで、洗わなくても(米とぎをしなくても)糠臭さは気にならず、特殊な焼き網を使って火のあたりを和らげることで焦げつきはマシになりました。

頂上に近づくにつれ、その急峻な山容が明らかに。下を覗けば肝が冷えます。ハンググライダーで飛べたならさぞ気持ち良いことでしょう。

お馴染みの三嶺ヒュッテ

 二泊三日の山行となれば嫁のザック(30リットル)はパンク状態。雨が降ったらどうする?私のザックが50リットル弱で二人合わせて80リットル弱。充分な防寒着をとなればいよいよ容量が足りない感じになってきました。

笹が照葉樹の葉のように輝きます。陽が傾くに従いその輝きを増し、黄金色に辺りを染める。一昨年の三嶺山行は大変でしたが、またいつかあのアーベントロートに巡り合いたいものです。

刻一刻と変化する山。風が強くなり雲が峰々を越えてゆきます。

あっという間に雲の中。(この場合霧というのかガスというのかわかりませんが)そしてまた太陽が顔を出しました。

日が暮れる前にテントを張らないと。指定のテント場はあまり利用者がいないのか看板も取れてしまってわかりにくかったのですが、風が防げて水もたまらない場所はここぐらいかなということで設営。大分もたつかずに張れるようになってきました。

そして二日目の朝。あたりは霧に包まれておりました。日の出の頃にはきっと晴れるはず。

 お亀岩に登って時を待ちます。

ブロッケン現象を初体験。振り返れば人の影がすぐそこに浮かび上がっていました。

一杯のコーヒーが身体に染み渡ります。

 今回は天狗塚へは向かわず、辺りの散策を楽しみテントを充分乾かして出発。あれこれ予定を詰め込まず山での時間をゆっくり楽しむのが私たちには合っているようです。

 三嶺ヒュッテ付近から三日目の朝

山に来れるのは春と秋の数回に限られていますが、少しずつでも親しんでいけたらと思います。今シーズンは特に暑く厳しかったこともあり、季節が巡るありがたさを感じます。

今年も蜂に刺されてしまいました

昨年に比べて少ないと油断していたら大きいのが2つできていました。8月になっていたので敏感になっているかもと思ったら案の定、二箇所、おでこと手を刺されてしまいました。アシナガバチなので大したことはないはずだったのですが、連日の暑さでバテていたこともあり、回復に時間がかかりました。丸一日仕事を控えても腫れは引かず、翌日も頭痛がしたので休みました。去年も刺されましたが、これ以上増えられても困るので、巣は見つけ次第落とすようにしています。我が家では毎年当たり前のように繰り返していますが、他の家もそうなのでしょうか。今度聞いてみようと思います。

(一発で落せずもたついている間に刺されてしまいました)