親友の酒

日本酒造りに携わっている親友が、折に触れ酒を送ってきてくれます。これまでその美味しさに幾度となく励まされてきました。米という一粒が醸成されることによってこれほどまで濃厚に香り高く味わい深いものになるという圧倒的事実。それは揺らぎようのない指針として 、美味しさという品質、豊かさという品質は、あれこれ手を加え合成して作るものではなく、余計を削ぎ落とし時間をかけ醸し出されるものであることを思い出させてくれます。

農家で修行していた頃、彼もまた蔵に入り修行をしていると聞いて嬉しく思ったものです。大学に入って知りたかったことはとどのつまり、学問を研究して得られるものではなく、これと定めた実生活の中にしかない。紆余曲折を経て見切りをつけた私は、なんとなく彼においてもそうなのではと思っていたからです。20年以上が経ち、彼の人生にもいろんなことがあった思います。学生時代もそれぞれに模索していました。酒を酌み交わすも言葉にならないこと、できないことの方が多かったと思います。それでも、その存在をありがたいと思っていました。とかく流行りでものを言う人が多い中、そうじゃないだろうと共感し合える友人がいるのは心強いものです。

彼の杜氏になるべく第一歩として送ってきてくれた今回のお酒は、その気概を感じさせてくれるものでした。現場の技術が数値化されシステム化される流れにあって、杜氏としてのやりがいを見出せない現場もある一方、作り手としてだけでなく蔵の方向性を示す重責をかつてないほど担わなければならない現場もあるということでしょうか。ぜひ頑張って自分の道を伐り拓いてもらいたいです。

【気概】困難を積極的に乗り越えて行こうとする、強い気持ち。 (三省堂国語辞典より)

最近出荷の生鮮(7月下旬〜8月上旬)

我が家のお裾分けという感じで、遠くに暮らす家族や友人、お問合せいただいた方々にお届けしている生鮮野菜。季節が巡り少しずつ充実してきました。オクラと交代でキュウリは終了です。自生している茗荷はそれこそタイミングが限られ少しずつしかとれませんが、年々そのおいしさに開眼。裏山にまた一つ群落を残すようにしたのでこれからに期待です。

きゅうり最盛期を迎えました

いろんなのが受粉に訪れます。

今シーズンは順調に瓶詰めできています。

ズッキーニの収穫はボチボチ終わりです。

先日の大雨で川が綺麗になりました。流れが強すぎるのでごく手前の緩いところで泳ぐようしますが、それでも上(かみ)に向けてはほとんど進まないほど。最近はかつてのように潜って魚を突いたり岩から飛び込んだり、日がな一日遊びたいという欲求がなくなってきました。畑や山の手入れを毎日少しずつでも進めていかないと終わらないのでそっちの方が気になります。小一時間くらいで引き上げて、昼ごはんに焼きそば。仕上げに茗荷の千切りをたっぷり盛りました。添えたマヨネーズがいい仕事してくれます。

ついに細断機を導入

お世話になっている農機屋さんからお声がけいただき、中古のチッパーを手に入れることができました。刈り払い機での細断は体力的にいよいよ無理だなと思っていたところでした。

畑のようす〜7月上旬その2〜

白ネギと落花生の畑に草を敷きました。今のところ獣の害がほとんどないので助かります。完全には囲えていないとはいえ、それまで出入りしていたところの変化を嫌がってくれているのでしょうか。

じゃがいもに傷がつかないよう慎重に掘っていきます。

 

畑のようす〜7月上旬〜

腰痛がマシになったならとにかく草刈り。埋もれたところを復旧させ、刈草を敷いてようやく人心地着きました。キュウリが順調に育っています。仕込みもスタートしました。

ズッキーニは例年、生育のピークに梅雨真っ只中となり満足に実がつかないので、今年は種まきを2週間ほど遅くしました。6月早々に梅雨入りして下旬からは晴れ続き、いよいよ収穫開始と期待していたのですが、気温が上がりすぎなのか、調子が思わしくありません。何なら、すでに終盤の様相です。スタートを早めようが遅らせようが終わりは同じということかもしれないですね。

 (黄色ズッキーニが部分的に緑色になるのは、これまで生育終盤に起こる現象でした)

この春は作付けが遅れて少なかったので(獣対策や支柱作りのため)、生鮮の出荷は限られ、レタスも早々に終了してしまいました。いずれにせよ気温が上がりすぎです。

さて、最近また我が家に入り浸っている半野良ちー坊。あるとき彼女を連れてきました。とても綺麗な黒猫で、警戒心が強くあまり居着いてくれそうにありません。いつか子猫を連れてきてくれたらなと期待しているのですが。

先日は久しぶりにウサギを獲ってきて自慢してくれました。食べ残しは鳶がさらってくれるので助かります。それにしても我が家の至る所に自分のお気に入りを見つけるちー坊。空き箱の中や洗濯機の横、土間のひんやりしたコンクリートの上、生垣に集めた落ち葉の上、薪割り台にしてる丸太など。季節に応じて、また陽の傾きに応じてポイントを移動したり、私たちが特に手入れをして整えたところを決まって「ここ、俺んち」にしたり。最近は新たに玄関下を見つけたようです。

(満腹になって寝入るちー坊)

 まだ残っているビール箱だったりこんな隙間だったりこれは唯一こしらえてあげた寝床

昨今は猫の飼い方が色々厳しいようですが、ここいらは結構放任で、それを地域もおおらかに見守っているようです。例えば畜産農家の方がネズミに飼料を食べられないよう猫を飼っていて、それが自由気ままに何処かの世話になっていてもそれはそれ。いろんな家で可愛がられているようで時折話題に上ります。ふぐりをそのままに山野を駆けまわるちー坊の姿は、とても理想的のように思います。繁殖期にはいろんなのが来て賑やかになりますが、それでも増えすぎて困ったりということはありません。きっと、山の暮らしそのものが厳しいからだと思います。ちー坊も自分の縄張りを死守するため、血だらけになって帰ってくることもあります。それでも夜になったらヨレヨレ出かけるその姿は何ともいじらしい。他は知りませんが、家に上げることはしません。それぞれの領分があり、それをちー坊もわかっているようです。

 

体力とは、老いとは、

試行錯誤が続く体力づくり。

5月はようやく時間が取れたのでしっかりトレーニングをしました。毎日ローラーを軽めに回し(ロードバイクのトレーニング)、週一で2時間半ほどの乗り込みもしました。旧土佐山村高川に行って帰ってくるコース。50分ひたすら登って20分下り、80分かけて登り返して10分下る、中山間地ならではのコースです。各種苗の植え付けやオクラの種蒔き、合間の草刈りなど、仕事との兼ね合いもあり、以前よりも軽めを意識しました。

3週目あたりで結構疲れが溜まっていたのですが4週目で意外と調子が戻り、疲労と回復がうまくいっていると思ったところが勘違いだったようで、6月に入って梅林の草刈りをしているときに脇腹の筋が切れたような感じからあれよあれよという間に腰が痛くなって作業を中断。しばらく安静にしていたら治るだろうと1週間経っても一向に治らず、整体に行って一旦回復に向かったのですが、その1週間後またぎっくり腰のような感じになってしまいさらにもう1週間。結局3週間以上満足に仕事ができない状態になってしまいました。梅雨真っ只中、草を刈らないと畑も家も山に呑まれてしまうのにどうすることもできず、、、

体力をつけ仕事のパフォーマンスを上げていきたいのに身体がそれに耐えられず続けられない、これが老いというものなのか。しばらく意気消沈しておりましたが、その間、嫁が刈り払い機に初挑戦。埋もれそうになっていた作物の救出も頑張ってくれました。

周りでは70代80代の女性も刈り払い機を使います。それは若い頃から培ってきた体力があってのこと、誰でも当たり前にできるものではないでしょうし、無理は禁物、本人がやろうと思えるかどうかです。嫁も山暮らし仕様になってきたでしょうか。

畑のようす

久しぶりの投稿になります。この春は数年毎に作り替える竹の支柱づくりに加え、いよいよ獣害を何とかしなければということで柵づくりに追われていました。

 どうやって作るかあれこれ考えた末、打ち込んだ対の鉄筋を枠にして丸太や竹を積み上げることに。そうすれば、身近なもので賄えますし、長持ちしそうです。鉄筋は建材屋さんでカットしてもらいました。丸太は暮れに伐った裏山から先の細いところを2メートルないし3メートルにして運び下ろしました。現場が林道の上斜面であったなら軽トラに積んで来れたのですが、運び上げるには重すぎました。一本一本、引き摺りながら、嫌にならない程度に少しずつ。竹藪に近い畑には竹で拵えます。支柱も作りながらひたすら動き回る毎日でした。

避けるべきは、ウサギ、タヌキ、アナグマ、猪、、、とにかくそれなりの高さまで積み上げたところが、どうも半野良「チー坊」が柵の上で爪を研いでいるようで、つまるところ、これではハクビシンに対して無力ということなのでしょう。竹の方が滑って効果的かもしれません。

 急斜面に4段連なる畑。ここも昨年はかなり掘り返され踏み荒らされました。しかし、完璧に囲う方法がなかなか思いつきません。電柵は補助金が出るとしても自分が嫌ですし、それに、畑の外は鉄筋も満足に刺さらないような地盤。とにかく足掛かりとして出入り口を塞ごうと思います。その場凌ぎにネットを張っても、よほど目が細かく丈夫で高価なものでなければ噛み切られてしまうし、かといって、いかに丈夫でもまた作り直せるような、大変すぎないことが肝心です。景観を損なわず、作業の邪魔にならない囲いとは。

そうこうしているうち、やり残していた刈草集めに掛からなければならなくなり、あとは暇を見つけながら進めることに。気がつけばもう5月。にんにくの芽の収穫が始まりました。

 しっかり肥えて上出来です。暫時仕込みます。

そんなこんなであっという間に今シーズンが始まりました。

瓶ヶ森テン泊

去年の春、途中で断念した筒上山へ。今回はルートを変え、日帰りではなく、一泊二日のゆとりを持って臨みました。前泊は瓶ヶ森で。全く非日常的な景色が広がります。静かで贅沢な時間。正面には石鎚山。雪が山襞(やまひだ)に残っていました。寒かったので夕食を食べたらそこら辺を散策。陽が落ちてから辺りはより鮮やかに。

「氷見二千石原」

かつて、ご夫婦の営む山小屋がここにはあり、山スキーを楽しむ若者たちで賑わったそうです。

夜明け前に起きて山頂へ。テントは夜露が凍ってバリバリです。朝は決まって貧血の嫁にとり、起きがけ登山はたとえ30分そこそこで頂上とあってもかなりハード。何度も立ち止まり、それでもなんとか辿り着きました。美しい朝日を前にうずくまる嫁

林道が開通し誰もが気軽に訪れるようになる前のこと。バスに延々揺られ、麓から雪山を登ってようやく辿り着いた彼らは、ここで青春を謳歌したのでしょうね。

【青春】 〔夢・野心に満ち、疲れを知らぬ〕若い時代。(三省堂 国語辞典より)

さて、テントを撤収していざ筒上山へ向かったのですが、のんびり出発したのが仇になり、今回もタイムオーバーでした。手前の岩黒山でお午になり、丸滝小屋で引き返すことに。まあ、いいのです。休日まで頑張る必要はないのですから。それに、その丸滝小屋から土小屋までが苔むした穏やかな道で十分楽しめました。

terzo tempo さんへ納品してきました

店頭には残り2瓶となっていてびっくり。ご愛顧くださり、誠にありがとうございます。本日納品して参りました。

深煎りコーヒーと共にいただいてきました『ラムチョコサンデー』

ラムレーズンと濃厚なチョコ、そして香ばしいグラノーラ仕立てのナッツ。カカオの香り引き立ち食感も楽しく、とても美味しかったです。