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冬の楽しみ

クリスマスが近づき、今年もヨキコーヒーさんにシュトーレンをお願いしました。ずっしりと質実剛健なお菓子。香ばしいバターとお酒の香り、そしてフルーツとナッツの濃厚な味わい。厚めにカットして頬張るのが幸せです。

日曜日は大抵、薪割り。斧はこの家に残されていた物で、形からして伐採用だと思いますが、特に使いにくいこともないので、愛用させて頂いてます。

矢と槌は自前。斧で割れないとき補助的に使います。当初は斧だけで格闘していたのですが、地元の方がそれらしいのを使っているのを見て、道具屋へ走り手に入れたものです。30代の無茶が祟ってしまったのか槌にヒビが入ってしまいましたが、柄の細さと全体のバランスがよく、気に入って使っています。

天気が続いたので鷹の爪が綺麗に干せました。

初雪の工石山

昨日、麓はみぞれ混じりの雨。山の上は雪でした。雨が止んで晴れ間が見えても風が冷たく、外での作業はかなり冷えました。雪化粧をした峰々を見るとそこへ行きたくなります。

翌日の天気は晴れ。気温もあがる登山日和ということで、近所の工石山へ。朝起きると、家はすっかり冷え切っています。薪ストーブに火を入れ、湯を沸かします。路面凍結が恐いのでお昼頃に向かいました。駐車場にはかつてないほどの車。山は老若男女で賑わっておりました。おばちゃん達はおしゃべりを楽しみ、小さい子がビッグサイズのカップヌードルを美味しそうにすすっています。休日は山で憩う。そんな趣味を持っている人たちが結構いるんですね。

木漏れ日の中、溶けた雪がキラキラ降ってきます。

 雪に縁取られた木々

山が好きだと連呼する嫁

静かな時間

ブナの森でテント泊

紅葉シーズン深まるにつれ、どっぷり山に浸かりたい欲求が高まってきました。昨年登った三嶺を含む剣山系は熊出没情報が目立つので、地元の山へ。汗見川沿いを登っていきます。(11月3日)  眼下の深い谷を流れるのが汗見川。伊予三島へ通じる峠の、その過酷さからついた名前と聞いたことがあります。

12時過ぎに登り始めたので、すぐ陽が傾いてきました。普通ならば下山する時間。すれ違うベテランさんにすれば今から?という感じ。テン泊であることを告げると得心の笑みが返ってきました。早く目的地に着かねばなりませんが、暮れゆく中を歩くのは好きです。遠くで鹿が鳴いてます。 今回は佐々連尾山(さざれおやま)の先にあるブナの森に泊まる予定。張れるところがあるのかどうか、行ったことがないので不安は残ります。水場はないので二人で4ℓ用意しました。(結果、一泊二日で残ったのは0.5ℓ)

 とてもいい場所が見つかりました。無事に張り終え、さて、これからが楽しみの時間。下山を急ぐ必要はないのです。

夕食は弁当。予定では昼が弁当で夜は米を炊いてカレーだったのですが、仕事の疲れが残っていたため朝は無理をせず、登りはじめが12時近くになったので昼は行動食とパンで済ますことに。ロープ場が所々あるアップダウンを4時間ほど歩いた後、煮炊きせず食にありつけるのはかえって助かりました。ご飯を食べながら、最近ニュースになっている遭難について何気なく話していると、気づけば嫁から笑顔が消えています。しまった、またやってしまった。とにかく、すまん。根が健やかな嫁はすぐに気持ちを切り替えてくれるので助かります。やれやれ。

張る際にあたりを調べても鹿の糞は見当たらないし、気になる気配もなかったと思います。逆に、静かすぎるほどで、風も、上では強く吹いているのに此処はそよぐ程度。気温も過ごしやすい。もちろん、私たちの他に誰もいません。何も不安になる必要はない筈です。とはいえ、私だってそれなりに緊張はします。テント泊はどうしたってワクワクドキドキ。

どこでも眠れる人はいいのですが、私も嫁も苦手。下山後に我が家の布団に入った時が極楽と思う方です。毎度長い夜を過ごすことになるのですが、今回は何も考えず只うとうとする時間を楽しもうと思いました。夕食後はまず横になることに。やはり眠れません。

テント内に敷く銀マット、今回は銀の方を表にしてみたのですが、それがいけなかったようで、わずかな傾斜なのに、その上のエアーマットが滑ってすぐズレ落ちてしまいます。直してはズレるの繰り返し。一方の嫁は何の問題もなく安定している様子。さぞ、横で鬱陶しかったことでしょう。輻射熱があるから銀を表にするという話ですが、暖かさはあまりかわらない感じです。そもそも熱源の無いところでは?ですし、下から上がってくる湿気や冷気をまず防ぐという目的では、やはり銀のフィルムが下の方が理にかなっていると思うのですが、、、。結局敷き直すことにしました。

狭い中、荷物をどこに置くかも重要です。私の場合は毎度ザックを空にして足を突っ込むのですが、今回は腰痛が気になってしっくりきません。足元に寄せたところ、それも具合が悪い。整体で膝下にクッションを入れてもらうことを思い出して、そのようにするとようやく落ち着いて眠れるようになりました。枕は取り外しのできる雨蓋に衣類を詰めて。そうこうしているうちに、いよいよ夜の帳が下りたようです。

外に出れば、月明かりに照らされた静かな森が佇んでいます。紅茶でも淹れようか。アルコールストーブで湯を沸かします。もみじ饅頭が美味しい。カサカサ葉の落ちる音がします。

さて、冷えないうちにテントに戻りましょう。寝袋に包まりながら星空が見れたらいいのに。また鹿の鳴き声がしましたが、ビバークの時と違い、蹴られてテントが谷に落ちる心配もないので、まあ落ち着いて寝られそうです。

夜明け。外気温は5℃  POUSSERさんのパンとコーヒーの朝ごはん

 嫁、歓喜の図。

嫁が、ブナ爺にまた会いにきますと言ってます。

腰痛明けの山行

初めてビバークした山へまた来ました。

四十にして惑わず、という言葉を改めて紐解けば、「惑う」は、ただ、おろおろするという意味だけでなく、

「平常心・(初志)をかき乱すような事に心を奪われる」

とあります。倫理(行動の規範としての道徳観や善悪の基準)や良識(健全な判断力)では動かない世間において、平常心はいかに揺らぎやすいことか。

先日友人からあるショックな出来事を聞かされたのですが、歳を重ねるごと色濃くなっていく個々の人生、仕方がないと思いつつも、つい考え込んでしまいます。それぞれに異なる根っこ。それぞれの生き方。山仕事で身体を疲れさせても夜中に目が覚めてしまい、いよいよリズムを取り戻さないと身が持ちません。山登りをして一度リセットしたいと思いました。思考を健全に保つには花鳥風月が必要です。

山行前夜、21時前に就寝で目が覚めたのは0時半。弁当を作り、2時に再度布団に入って6時起床。結局登山口に着いたのは10時過ぎ。無理をせず途中で引き返す前提で登り始めました。

ゴーヤと生姜は塩揉みして搾ってから少量の梅酢と醤油で風味付け。インゲンはソーセージと一緒に茹でて粒マスタードで和えておけば即席のピクルスに。定番の卵焼きは今回砂糖を使わず、卵6個に対して味醂と醤油を合わせたものを100cc。しっとり甘くて山弁当に最高に合いました。

山の静寂には毎度、新鮮な感動を覚えます。ここに来なければ得られなかった静寂。遠くに三嶺が天狗塚が見えます。

刻一刻と変化してゆく陽光。辺りにキツツキの音が響きます。遠くで鹿の鳴き声がします。暮れ行く緊張感が嫌いではない私。長居したいのを堪えて4時に下山。

山仕事がはじまりました

秋も深まり、ストーブに火を入れると薪の消費が加速します。

我が家では風呂を薪で沸かすので年中薪暮らし。外出していて帰りが遅くなった日など、シャワーで済ますこともありますが、あまりサボっていると、虫が増えたり家が湿気ってカビが生えたり、冬は寒すぎてシャワーを浴びるにも気合がいるという切実さもあって、多分350日は焚いてます。なので、山仕事は欠かせません。

腰の具合は信じられないほど良くなりました。臀部のひきつりもほとんど無くなり、もはや腰痛持ちであることを忘れるくらいです。かつてに比べれば疲れやすくなりましたが、それについては、身体の感度が良くなったと前向きに捉えていいそうで、思い返せば、自分で言うのもなんですが、ねじ伏せるが如く酷使してきたと思います。今では毎日入念にストレッチをすることで下手な力みも取れて呼吸がしやすくなり、かえって調子が上がってきたくらい。

枝を払って片付けるのも、玉切りした丸太を運び出すのも、久しぶりにやればハードな仕事ですが、この暮らしが自分達の軸なので、心身が充足します。

 

穂紫蘇の季節となりました

朝露の中、チョキチョキ収穫。鳥の鳴き声がします。カラスは遊んでいるのか、まだ熟さない柿を落とします。気の休まる暇のない夏が終わり、やっとこの季節になりました。もう台風来ませんように。私は秋が一番好きです。

工房に戻ったら早速仕込み。これまでは立ちっぱなしの作業でしたが、坐骨神経痛を患った今ではとても無理です。バランスボールに座り姿勢を正して検品。時には立ち上がってみますが、たまらず直ぐにまた座る。ストレッチをしつつ気長に続けます。接骨院で、

「川谷さんはまだ若いですからね。大丈夫、取り戻せますよ!」

と、言ってもらえたことが嬉しい。近頃は「もう歳ですからね、無理もないですよ」の方がほとんどなので。(例えば老眼とか)

どのように歳を重ねていきたいのか、改めて考えます。年齢や状況、もしくは制約によって、やれる事やれない事は出てきますが、諦めたくないことのために何を諦めるか、、、私はここに宣言します。毎日の晩酌を辞めます。

一日汗をかいた後のビールはたまらなく美味しいし、心身ともにほぐれるように思うけれど、その実はどうなのかなと感じていたここ最近。腰回りについたお肉がとれないようになってきたことも気になります。とにかく、いろんなことを整理してもっと身軽になりたい。

これまで幾度となく挑戦するも、失敗してきた試み。今回ばかりは宣言することで、有言実行のプレッシャーのもと、完遂したいと思います。整体に通う新たな出費を捻出するためには、何かを捨てなければならないのが現実ですし。

ところで今日は週末、一仕事終えて日暮まで間があったので近所のダム湖へ一服しに行ってきました。ホットコーヒーをタンブラーに入れ、途中、アイスクリームとロールパン、それにポテトチップスを仕入れて。お酒を断つとカフェインと甘いものが余計に欲しくなるのは気になるところです。

この奥には大川村、そして旧本川村が存在し、背景には石鎚の山々が連なります。

納品、そして整体へ、

長年お取り扱いいただいている、土佐和紙工芸村QRAUD さんへ。

この度、売り場が従来のホテルフロント付近から、新装された別棟店舗へ変わりました。

そして、整体へ。QURAUDさんから車で30分弱、学生時代に暮らしていた高知市朝倉に近い鏡川沿いにある、えぐち鍼灸整骨院 さん。今回で5回目の通院となります。

とても明るい雰囲気の整骨院(接骨院)さんで、かなり人気なようです。自分ではどうにも届かないところを解きほぐし整えてくれる感じがあり、施術のあとは力みが取れて、お風呂に浸かった感じになります。帰宅後は眠くて眠くて、これまで封じ込めてきた疲れがどっと押し寄せる感じ。

先日3日つづけて草刈りを頑張ったところ、腰が固まり、ピキッと来そうになりました。(そのピキッと来る瞬間、身体に何が起こっているのでしょう)流石に気が萎みます。暫く自重せねばと思いますが、とはいえ、やらないと。それでも当初の痛みや痺れはだいぶん緩和してきました。ちなみに精密検査については、MRIが怖いので受けてません。

最近出荷の生鮮

 高知ならではの鰹のたたき。我が家においては、薬味を存分に楽しむための料理です。玉ねぎ、ネギ、ニンニク、大葉、そして今回は丸ブシュカン(3年前に植えて初の収穫)。風呂釜から熾をとってきて、その時々で山椒や梅、茶の木の剪定した枝あったり、裏山から切り出しておいたとっておきのニッケイや台風で落ちてきた楠の枝、特になければ、杉や檜を細かく割ったものや刈草を焚べて燻しながら焼きます。草木それぞれのいい香りがして、大変でも山の暮らしと農業をやってきて良かったと思えるひとときです。

 

接骨院に整体へ

農家に腰痛はつきものと言います。中腰の姿勢や重量物の上げ下げで疲労が溜まれば当然痛くなりますが、私の場合、病名がつくほど悪化したことはありませんでした。それが密かな自慢でもあったのですが、今回の腰痛はいつもと違いました。臀部から太ももの裏、脹脛そして足の裏に至るまで痺れるようになり、一週間経っても治らず、攣るような痛みで工房の立ち仕事でさえ儘ならない有様、いよいよ只事ではないということで、はじめて接骨院へ行くことにしました。

坐骨神経痛ということで、週一回以上の集中的な施術を2ヶ月間、そして、病院での精密検査を勧められました。深刻な状態と認識した方がいいようで、思い返せば、毎年のように脇腹が攣ったり、車を長時間運転するとお尻がたまらなく痛くなったり、いろんな不具合はその予兆でした。なお、股関節や肩甲骨周りは柔軟性に乏しく、体幹もガチガチに固まっている模様。動かせるところまで上体を捻ってくださいと言われてやってはみるものの、僅かばかりで攣りそうになります。肩周りのチェックでは少しも動かず、これには先生も思わず苦笑い。これまで自分なりにメンテナンスしてきたつもりでしたが、甘かったことを思い知らされました。

今は種蒔きや植え付けの真っ只中、そして、生姜にも里芋にも刈草を被せてあげないといけないタイミングです。とはいえ、草履を突っ掛けるにも足に力が入らず、たびたび捻挫してしまいそうになるほどで、正座で足が痺れたというほどではないにしろ、麻痺して思うように動きません。臀部から脹脛にかけて断続的に絞られるような痛みが走ります。そうこうしているうちにどんどん草に呑まれていく畑。この冬作は一体どうなるのか。とにかく、無理をしてさらに痛めるということにならないよう、接骨院でもらったストレッチメニューを毎日続けます。そして、幸いにも自転車でローラーを回す動きは大した痛みもなくできたので、リハビリとして続けることにしました。

二週間ほど経ったでしょうか、ようやく痛みが柔らぎはじめ、仕事ができるくらいまでになりました。まずは草刈り、そして種蒔きです。

多くの農家が通ってきた道。四十にして惑わずとは言いますが、やると決めてもなかなか形は定まらないもので、こうした出来事を経ていよいよ定まっていくものなのかもしれません。接骨院の先生のポジティブな言葉に触れるたび、少なからず身体が改善されていくのを実感するうち、たとえ消えないとしても感度良好なアラームとして前向きに付き合っていけるのではないかと思えるようになりました。生活習慣を見直し、仕事量を見直し、リハビリを日課とし、今後も農業と山の暮らしを続けていけるよう、私も克服していきたいと思います。

畑には発芽を待つ人参や春菊、白菜、そして、植えたばかりの、サニーレタス、キャベツ、カリフラワー。

久しぶりに我が家の野良たち。チー坊は獣と格闘したのか顔を怪我してしょぼん。夜も昼も引きこもりモードです。とはいえ、根が丈夫なので数日腫れて膿んで、自然治癒。可愛いQ太郎はどこへ行ってしまったのか、全く姿を見せなくなりました。兄いの庇護を失ったチー坊、雄々しく自分で縄張りを守らないと。