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山仕事備忘録〜西の藪’16〜

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畑の南西を覆っていた竹薮を昨年から伐り進めています。少し、向こうが見えるようになってきました。

電線越しに畑にかかっていた杉は枝が片方に張って重心が偏り、とても自分で伐ろうと思える代物ではありませんでしたが、遂に今年伐りました。無事に倒れてくれて本当に感謝。

 

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竹を伐るのもやはり、ひやっとすることが多く、伐り方や後始末がわるければ下の集落まで落ちかねないので、常に緊張を強いられながらの作業はとても疲れました。8日かけて200本近く伐り倒し、キュウリの支柱も確保できました。

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畑と竹薮の境にあるこの水路、以前、人が落ちて大事故になったらしいのですが、今でもこのタイプのが至る所に作られています。地元の人には、芥を取るためでも絶対降りたらいけないと言われています。一度足を滑らせたら、止まるためのとっかかりは何処にも無いのです。

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土づくり

4日かけて裏山の刈り草を集めました。

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今年からは自家用野菜も少しずつ作っていこうということで、家の前の畑に本腰を入れようと思います。この畑の土は大分痩せていて重く、ほぼ砂礫といった感じで、有機物が分解されてできる「土」そのものが極端に少ない状態でした。

やるからには、しっかり良い土にしておかないと余計に手を取られ、他の作付けの足を引っ張ることになってしまうので、あらたにお隣の裏山を刈らせてもらうことにしました。土作りには本当にたくさんの刈草が必要です。

畑に馴染みやすいよう草刈り機で細断します。

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畑のようす

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人参の畑、呆然とする嫁

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草取りも、間引きもし、今では茂っているはずの人参。大きくなろうとしても、その都度、葉を食べられ踏みつけられ、掘り返されてきました。さらに、これだけ叩かれると、なかなか苦しいです。

ウサギはやはり人参が好きなんですね。

はっきりと条で植わっていたのに、もはや探さなければ見えない程度になってきました。まあ、仕方がないです。

 

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しかし、そのかわりショウガは豊作。

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いくつもの偶然性に左右されるからこそ、収穫できること自体がとても有難いことなのだと改めて思います。

その上で、生業として続けられるよう、知恵を絞り工夫することが、自然と対峙する農業の面白さなのだと思います。身につけなければならない事は山ほど有り、退屈する暇もありません。

二年一作

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今シーズン休ませていた畑を刈り進めています。

畑において、草は食物連鎖の基礎であり、草が鬱蒼と茂ってはじめて虫や微生物が集まり更なる食物連鎖へと繋がります。なので、無肥料栽培で、土づくりは草だけですというと、とてもベジタリアンな畑をイメージされるかもしれませんが、そこには目を凝らさなければ見えないような小さな虫や昆虫も集まれば爬虫類もひとりでに集まり(カニもいます)、草が堆積しているところにはキノコも生えます。それらもまた土に還元されるので、肉(タンパク質)もたっぷり畑は食べているのです。人と同じで、いろんなものをバランスよく食べている畑は健康で、常に消化活動(有機物の分解)が行われ、その副産物が結果的に作物にとって必要な養分となります。

ただ、草を生やし畑を肥やすことと、作物を育てることを同時にすることには無理がある、と感じているので、二年一作、どちらに専念するかを年で分けているのです。

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畑のようす10月中旬

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人参、温海かぶ、大根の畑

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終了したオクラは種取りに。

 

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今年の生姜は今までで一番の出来です。

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栗拾いの季節になりました。

 

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星があまりにきれいなので、今晩は外で。ようやく、こんな時間を持てるようになってきました。

 

新聞掲載のお知らせ

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2015年、10月1日の農業共済新聞に掲載して頂きました。

いつもお世話になっている、まなべ商店さん、記者さん、丁寧な記事をありがとうございました。

この度の取材で、あらためて農業とピクルス作りにどのような展望をもっているか質問されました。

農業についてはこれまで、なかなか展望を見いだせずにいました。立松和平さんの[遠雷」「春雷」という本を読んで頂くと、イメージして頂きやすいと思うのですが、作物を栽培するという事、農業を経営するという事が途方もなく感じられたからです。

作物は作るものではなく育てるものだという考えに落ち着き、とにかく畑でそのものを見続け、分からないことの答えも人に訊くのではなく、畑の中で見つけるようになった頃から、少しずつ展望が見えてきました。作物の生育をコントロールし、量産しようとすると技術は複雑難解になりますが、その発想を捨てれば、やるべきことは当たり前の積み重ねしかありません。

最近強く思うのは、種を蒔いた100%が収穫を迎えることはない、完璧はあり得ないということです。

今作の人参も蒔いた直後に嵐に叩かれ獣に踏みつけられ、今では半分くらいになってしまいました。そういった不測の事態はなにがしか起こるもので、だからこそ、人参の一本が健やかに成長し売り物になるまで育つことだけで、既に奇跡だと思うのです。しかし同時に、その都度諦めなければ全て消えることはありません。限られた収穫を最大限に活かす。加工することで、経営上クリアーすべき収量を減らせたことは救いになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

農業と田舎暮らしついて

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北海道の恩師から鮭が届きました。

19歳の時に牧場アルバイトでお世話になって以来、大学卒業後の進路に迷っているときも、農業に展望を見いだせないときも、そのほかにも数えられないくらいお世話になっています。

先日、電話で聞いた話。

北海道でも法人化が進んでいて、近隣の農家が出資し合って規模を拡大し、効率化を図るわけですが、なかなかうまく行ってはいないようです。

農地を拡大すれば身入りが増えるということではなく、規模に見合った機械の大型化や更なる設備投資が必要になり、新たな負債を抱える。出資者同士の関係がうまくいかず辞める人も多いのだけど、その人の土地は既に法人名義になっているので、帰って耕す土地もなく農家に戻ることはできない。離農し、どこか雇ってもらえる口を探すしかない。そんな悲愴な話を聞きました。

「農学栄えて農業滅ぶ」と言われてきたように、これから農業に携わろうという人にも、農家をめざすのではなく、斡旋する側にまわる人の方が多いようです。いっとき増えた新規就農希望者はめっきり少なくなりました。担い手の高齢化は明らかに進んでいて、これまで草を刈っていた人もそれが無理になり、除草剤を使うようになっている現実があります。なので、うわべのサポートではなく、その人自身が主体となり、責任とリスクを負って農業に従事する、少なくともそれを前提として欲しいと思います。

移住や地域おこしという言葉が頻繁に使われるようになった頃から、田舎に移り住むその意味合いが違ってきたかもしれません。そもそも、私個人の考え方では、各々がそこで暮らすために仕事をする、無ければ作り、暮らしを立てていくことで、結果的に地域は興るものだと考えています。地域おこしという新しい仕事を、地域経済がまわるよう稼げる仕組みを作る仕事と、敢えて定義付けるなら、その仕組みを作り商品提案をして終わりではなく、提案した人自身が主体となって続けなければ、その仕事は生き残れないはずです。

農家の研修生としてこの土地に来た当初、「骨を埋める覚悟はあるか」と地元の農家に訊かれたものです。街暮らしにはない衝撃的な言葉でしたが、今となっては、それが不思議なほど納得できます。農業も農村で暮らすことも、土地に根を下ろさなければ、いつまでたっても自分の事として真摯に向き合うことはできないと実感してきたからです。土地の手入れを続けることも、そこでずっと暮らしたいといつわりなく思えた時にはじめて、身が入りました。地域の役を受けるも断るも、それ相応の理由がなければできることではありません。私は消防団を3年で辞めましたが、それは辞めなければ農業を続けられなかったからです。実際の消火活動ではなく、練習や大会に参加する為に捨てたたくさんの野菜、それを仕方がないと笑う兼業農家のように自分を納得させることはできませんでした。農業を生業とし、ここでずっと暮らしたいと本当に思えていたからこそ、地域からどういう処遇を受けるかとても不安でしたが、言う決心がつきました。

価値観は人それぞれですが、各々主体となる、そこは共有したいものです。

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にんにくの植え付け

彼岸が明けるまでには植えたい、にんにく。

今年は入りが20日、秋分の日が23日、明けが26日でした。

9月23日から始め、途中雨もあって、27日に終了。植え付け日の違いが生育にどう出るか、楽しみです。

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この畑はの前作は人参でした。一年半休ませたのち(生える草を生やせるだけ生やしては刈るを繰り返し、法面の刈り草も入れる)、他所から刈ってきた草もあわせてたっぷり敷き詰めてから、畝間の土を管理機で掻き上げ、鍬で調整します。

種芋は、敷き草をかき分け、土の上に置く感じです。なので、根が伸びる先が未熟な有機物だらけ、という状態にはなっていません。それに、これから気温も地温もさがり、急激な変化は起こらないのだろうと思います。

 

 

穂紫蘇のピクルス

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今年も穂紫蘇を収穫する季節になりました。早朝、霧がかる中、チョキチョキ収穫するのはとても心地いいものです。少し肌寒い気温も、時折吹く風も、夏の終わりを感じさせてくれます。あとはにんにくと玉ねぎの植え付け、人参やカブに大根、白ネギの手入れもありますし、ピクルスの仕込もまだ半分以上残ってはいますが、とにかく今シーズン、作付けの第一段階に終わりが見えてきたことにほっとしつつ鋏を動かすこのひと時が気に入っています。

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