ふたつの道に挟まれた、路肩をのぞけば幅わずか5メートル足らずの狭地。そこに樹高20メートルから30メートル、直径40センチから60センチ前後の杉5本をまとめます。枝ぶりを考えれば樹幹は2メートル以内に収めなければならず、かといって考えなしに重ねてしまうと後始末が大変になります。つまり、できるだけ平行に隣り合わせて寝かせなければならないということ。

受け口正面を厳密に測り、着地する最後まで制動力を効かせるため、「つる」をできるだけ厚く残します。前年の枝打ちは、接触していた通信ケーブルの絡みを除くためもありましたが、全ての木に登ったのは、「つる」にかかる負担を軽くするため。楔を打ち少しずつ前方に重心を移していく中、曲がり間違ってもねらいから逸れないよう、充分傾けても倒れ出さないようにしたいからです。かなりシビアなケースなので、考えをまとめるためにも一年寝かせました。その間、足場を整えるために春一回、夏二回草刈りし、つまづいたり引っかかったりしないよう、切って積み上げた竹の飛び出した枝を払い、邪魔になる株元を切り戻しました。蔓もバラも十分朽ちています。

 初めの2本は枝絡みがあるといけないので牽引具をセットしました。あくまで念の為。基本的には楔で倒します。

急斜面なので、追い口を入れる際、谷側に立つと顔の高さになってしまいました。

２本目も同様に牽引具をセットします。以前のように竹竿で括りを上げてもいいのですが、少しでも登って経験を積みます。まだまだ力みは取れませんが、怖さはマシになってきました。

 余裕を持って退避。ゆっくり倒れ始めます。 私の左隣にあるのがアンカーにした樫、それと右にある欅をゲートに見立て、その間に収めていきます。その幅が2メートル弱。本日の３本目、道脇のこれだけはゲートの外。路肩に樹幹が当たらないよう、樫の際に寝かせていきます。ゲートの内側に入れてしまうと梢が隣地に出てしまいます。