秋の山行〜三嶺へ〜

10月10日〜12日、紅葉にはまだ早かったのですが、この秋初めての山行を楽しんで来ました。高知側の光石登山口は手前の林道が通行止めになっており、徳島の名頃登山口から三嶺へ。山頂から西熊山への稜線歩きを楽しみ、初日はお亀岩付近にテント泊。二日目、余裕があれば天狗塚へ登り日暮までに三嶺へ戻ってヒュッテ付近でテント泊。三日目はのんびり名頃へ下山という予定です。

三嶺は徳島側から登る方がメジャーなようで、より気軽なハイキングや軽装なトレランを楽しむ人も多いようです。登山口へ向かうルートは主に2つ。国道32号線から大歩危で祖谷の郷へ入り国道439号で向かうルートと、美馬ICで高速を降り、貞光川に沿って国道438号で向かうルートです。

我が家からは祖谷を通る方が近く、2時間と少しで着きましたが、祖谷トンネルが開通していなかったら果たしてこのルートを選んだかどうか。四国山地を辛うじて通した主要街道から更に厳しい峠を越えた先の深い渓谷。かつてはまさに秘境だったろうと思いました。一度自転車でちゃんと峠を越えてみたいものです。

先日まで続いた雨でキノコが沢山。

山に持っていく食料をどうするか。当初はカロリーメイトやソイジョイのような補給食を色々揃えもしましたが、今では嫁がパウンドケーキを焼き、私は弁当を作るスタイルが定着。日帰りでもテント泊でもそれをベースにして、あとは米を炊くかパスタを茹でるか手軽なクスクスか。今回は新たに餅とフリーズドライの白米やピラフを持って行きました。

餅は昔から携行する食料として重宝されてきたそうで、思ったより早く火が通り食べ応えもあって満足でした。一方、多くの登山者が利用するフリーズドライは、お湯を注いで15分、水でも1時間で食べられるようになるということで、確かに手軽で非常時には助かりますが、何食もそれだと私は無理だなと思いました。パスタにするにしても市販のソースやレトルトといった調味料を多用した食事もやはり疲れます。初めてのお餅はインスタントの味噌汁で雑煮にして美味しかったのですが、それも続けばしんどい。カロリーの補給としてだけではなく、食事をいかに充実させるか。準備や下拵えがあまり大変になるといけませんが、連泊となれば尚のこと重要になります。

となれば、やはりお米を炊くのが一番。芯が残り艶のない残念な炊き上がりではありましたが、クリーン精米にしたことで、洗わなくても(米とぎをしなくても)糠臭さは気にならず、特殊な焼き網を使って火のあたりを和らげることで焦げつきはマシになりました。

頂上に近づくにつれ、その急峻な山容が明らかに。下を覗けば肝が冷えます。

お馴染みの三嶺ヒュッテ

 二泊三日の山行となれば嫁のザックはパンク状態。雨が降ったらどうする?

笹が照葉樹の葉のように輝きます。陽が傾くに従いその輝きを増し、黄金色で辺りを染める。一昨年の三嶺山行は大変でしたが、またいつかあのアーベントロートに巡り合いたいものです。

刻一刻と変化する山。風が強くなり雲が峰々を越えてゆきます。

あっという間に雲の中。(この場合霧というのかガスというのかわかりませんが)そしてまた太陽が顔を出しました。

日が暮れる前にテントを張らないと。指定のテント場はあまり利用者がいないのか看板も取れてしまってわかりにくかったのですが、風が防げて水もたまらない場所はここぐらいかなということで設営。大分もたつかずに張れるようになってきました。

そして二日目の朝。あたりは霧に包まれておりました。日の出の頃にはきっと晴れるはず。

 お亀岩に登って時を待ちます。

一杯のコーヒーが身体に染み渡ります。

  今回は天狗塚へは向かわず、辺りの散策を楽しみテントを充分乾かして出発。あれこれ予定を詰め込まず山での時間をゆっくり楽しむのが私たちには合っているようです。

 三嶺ヒュッテ付近から三日目の朝

山に来れるのは春と秋の数回に限られていますが、少しずつでも親しんでいけたらと思います。