学生時代のインターンシップでお世話になった農業法人グリンリーフ株式会社の先輩が当時3歳だった社長の息子さんやスタッフの方々を連れて会いにきてくれました。今後ミールキットという1次加工済みの野菜からお肉そして味付けに至るまでセットになった商品を拡充していくそうです。インターンシップでは畑仕事に限らず、グループ会社野菜くらぶの独立支援プログラムを通じて新規就農するケースに群馬から遠路、青森まで同行させてもらい、漬物加工も体験させてもらいました。高品質であるということ、安定供給のシステム、市場のニーズに応えるということ。大規模であり、自分とはあまりにもかけ離れていたからこそ、それが今後の主流であると考えた時、自分はどうするか具体的にイメージする上で常に基準となってきました。中途半端なことでは意図せず同じ土俵に上がってしまうことになります。
とにかく当時の自分はしっちゃかめっちゃかでした。全て農業のためとはいえ、体力づくりで始めたトライアスロンのレースと合宿への参加、県が用意してくれた農業を学ぶ通信講座と実地研修、そして農業法人へのインターンシップ、そして卒論を最後の一年に詰め込んでいました。一方で、家に届く就職説明会やリクルートの情報紙は全て破棄。捨てても捨てても送られてくるそれをまた捨てるという行為は、自分の気づいていないチャンスを捨てるようで、またレールから逸れる覚悟を執拗に迫られるようで、結構しんどいものでした。
自分はなぜ農業だったのか、どんな暮らしに憧れてきたのか、まだ何も実現していないそれは自分の中でさえ明確でなかったし、言葉にならずもどかしい思いでした。20年ぶりの再会を果たし、今の自分を暮らしや畑を見てもらうことではじめて伝わると思いました。
数年前、といっても、もう8年ほど前になりますが、高知県へ公演にきた社長さんがわざわざ探して連絡してくれました。独立してまだ数年、試行錯誤の只中でその時もしっちゃかめっちゃかだったのですが、、、。それでも、時代の本流を行く人が、逸れに逸れて細々やっている自分の農業に共感を示してくれたことがとてもありがたく、自分もそうありたいと思いました。こうしてご縁が続くことに感謝しています。