山暮らしについて
農業を生業とする暮らし
農業で食べていくために四苦八苦している時、ふと思い至ったのは、お金を得るための仕事もあれば、お金を使わないための仕事もあるということ。
「それは倹約するというのではなく、暮らしを充実させることにつながるので、気持ちがとても楽なのだ」(嫁の名言)
農業を生業とする暮らし。私にとってそれは、いわゆる農的暮らしではなく、専業農家として「農業で食べる」ことを第一としてきました。しかし、営業のためとはいえ、畑を離れることが増えれば、その分、収穫はままならず、農家としての研鑽も疎かになる。規模拡大を志向しなくとも、お金を稼ぐためにすることは、本来大事にしたい仕事や幸せな暮らしからどうしても逸れてしまうようなのです。

木を伐り、毎日薪で風呂を沸かし、とにかく草を刈り、そんなことをしていたら仕事にならないのではと思っていたことも、それを通してでしか得られないリアリティーや知恵があります。

改めて暮らしについて考えるとき、自分たちの価値観や物事の考え方、とらえ方の軸が暮らしにあることに思い至ります。しかし振り返れば、街暮らしを離れ農業をすると決めたとき、そうなることを意識し、その軸を作り育てていく場として、今の暮らしを選んだとも言えます。
世間の流れに対して自分なりの考えを出し、それを仕事に昇華する。身につけなければならないことは山ほど有り、退屈する暇もありません。
いく農園の日々、今こんな感じ。
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